ビストロ BISTRO とはなにか? オーベルジュのフレンチレストランについて
オーベルジュ麻布には、ビストロが併設されています。
私たちスタッフは、「ビストロ」と呼びご案内している場所で、お客様は「レストラン」とご理解されていると思います。
ご宿泊のお客様は、ここでご夕食をお召し上がりになり、ご朝食もここでおとりいただきます。
さて、ではビストロとは一体なんでしょうか? レストランではないのでしょうか?
ご存知のように、フランスにはさまざまな種類の飲食店があります。
カフェ、ブラッスリー、ビストロ、レストランなどなど耳にしたことがあるのではないでしょうか。
では、それぞれにどのような違いがあるのでしょうか?
まず、カフェです。フランスと言えばカフェですね。
至る所にあります。(とりわけパリでは)道を歩いているとそこかしこにあり、日本のコンビニくらい(それ以上)あるように思えます。カフェでは、飲み物はもちろんのこと軽食も取ることができ、場所によっては朝食から昼食さらには夕食までとることができます。
料金は、バーカウンター、店内席、テラス席で違うのが特徴的です。
なぜこれほどまでカフェが点在しているのか、様々な理由がありそうなので挙げてみましょう。
・乾燥した気候(湿度が低い)のためのどが渇く
・道端に自動販売機がない(防犯上の理由からか、または景観の問題)
・地域の社交場になっている(日本の赤提灯のような)
・フランスといえばワイン! 生活とお酒は切り離せない
などなどいろいろな理由があり、これらが複合的な要因になっているのだろうと思います。
ちなみに、パリで最も古いカフェ「プロコープ」(1686年創業)のすぐ近くにレストラン麻布パリ店はあります。
なんとここには、あのナポレオン!の帽子が展示されています。
次にブラッスリーですが、本来は「ビール醸造所」という意味です。
お酒が主たる目的の大衆的な居酒屋との理解でよいかと思うのですが、日本の居酒屋とは雰囲気がかなり異なるので、居酒屋との説明文はよく見るのですが、何かしっくりこないなと私などは思います。
ちなみに、私(番頭)が好きなブラッスリーは、北フランスのリールという街にあり、店内で醸造されたビールを飲むことができます!北フランスのスペシャリテ・牛肉のビール煮込みといっしょに飲むビールは最高です!
閑話休題。
それでは、「ビストロ」と「レストラン」について。
ビストロはカジュアルな食堂、または居酒屋といったところでしょうか。(先ほども書きましたが、日本の居酒屋とは雰囲気が違いますが)
近年は革新的で斬新な料理を創作しているビストロも数多くありますし、古風な食堂然としたところもしばしばあります。
店員は、普段着を着ているようなところもあれば、パリッとしたユニフォームを着ているお店もあります。
料理に関しては、一品(アラカルト)で注文することもできますし、前菜・メイン料理・デザートのコースメニューも用意されています。
様々な面で幅の広く展開している食堂といったイメージで、やはりカジュアルな雰囲気でワインも楽しめるといったところが特徴でしょうか。
レストランは、まずは食事ができる場所の総称として、カフェ、ブラッスリー、ビストロも合わせた飲食店との理解でよろしいかと思います。
語源はフランス語のrestaurerという動詞で、 英語でいえばレストア(restore)です、こちらの方が馴染みがあるかと思います。
ものを修復して元の良い状態に戻すこと、レストアとは修復する、回復するという意味があります。
ひとはレストランに来て、食事をし元気に回復して帰って行くのです。
また、「フランス料理」、「フレンチのレストラン」といった言葉についてまわるイメージ、つまり、
「テーブル上にはおびただしい数のナイフ、フォーク、スプーンが並び、分厚い電話帳のようなワインリストを持ったソムリエがうやうやしい態度で出迎え、コース料理がゆっくりと一つずつ皿が運ばれてきて、3時間くらいかけて食べる」ものがフランス料理であり、フレンチレストランだというのは、一昔前のステレオタイプなイメージで、半分ほどはすでに古典になっているかもしれません。
近年、「グランメゾン東京」といった木村拓哉主演のドラマがありましたが、レストランガイド『ミシュラン』に掲載されるようなお店は、「レストラン」であることが多いようです。ちなみに、グランメゾンというのは和製のフランス語で、本国では使われていません。
美食家(グルメ)の多いフランスならではの飲食店の名称、この説明で少しでもご理解が深まりましたか?
ちなみに、オーベルジュ麻布のビストロは、気取らずにお越しいただけるカジュアルな雰囲気で、フランスの料理とワインを気兼ねなく楽しんでいただきたい、との思いから「ビストロ」を名乗ることにしています。
カジュアルな場所ですので、普段着で来ていただいて構わないのですが、客室備え付けのパジャマでの来訪はご遠慮くださいね。
番頭
最近は夏バテのせいか、そばばかり食べています。うどんの勢力圏で育ったためこれまで縁遠かったのですが、40にしてようやくそばの美味しさに目覚めました!